Perma Penが櫻井グリコのスタメン仕事道具の仲間入りを果たした理由

こんにちは、櫻井グリコです。
Microbeau Japanでは初めてのレビューになります。

こちらは、最近櫻井がお気に入りで使っているPerma Pen(パーマペン)というマシンです。

Perma Pen

Perma Penは、老舗色素メーカーのPerma Blend(パーマブレンド)社と、アートメイクマシンメーカーのMicrobeau(マイクロビュー)社がコラボして設計したロータリーマシンです。

Perma Blend Japanの公式アンバサダーを務めさせていただいている関係で、今回Microbeau Japanでレビューを掲載することとなりました。

今回櫻井がPerma Penを導入した理由が4つあるので、ご紹介させてください

  1. ストローク長 2.7mm
  2. エルゴノミクスグリップ
  3. 振動が少なく安定した本体
  4. eGIVE対応

この4点です!
ひとつずつ解説します

1.ストローク長 2.7mm

マシンを選ぶときに、こだわりのあるアーティストならストローク長を気にされる方が多いと思います。ストローク長とは、簡単に言えばマシンの打撃力です。

(実際には遠心力なのですが、)パンチを繰り出す時を想像するとわかりやすいと思います。肘を大きくひいてから出すパンチと、あまり肘を引っ込めないで出すパンチ、どちらの方が打撃力がありそうでしょうか。

肘を大きく引いた時のパンチの方が強いですよね。ストローク長もそんなイメージで、長い方が打撃力があり、短い方が優しい感じになります。

ストローク長の種類は3種類あって、ショート・ミディアム・ロングの3種類です。
マシンのメーカーによって変わりますが、大体このような分かれ方をしています。

  • ショート:ストローク長 約1.8〜2.5mm程度
  • ミディアム:ストローク長 約3.5mm程度
  • ロング:ストローク長 約4mm程度

Perma Penはショート寄りの分類になります。
今回はミディアムとロングについては割愛します。

ショートストロークで施術すると、針の引っ込みが少なくなるため皮膚の表面に針が優しくヒットします。つまり、対象に与えるダメージが少なくなるため、パス数を重ねる必要のある施術でも定着させることができます。

櫻井は最近、韓国式のリップアートメイクのシェーディング方法を学んで実践しているのですが、これがとてもゆっくりな動きでパスを重ねる技法のため、今まで使っていた3.5mmストロークのマシンだと強すぎたのです。

Perma Penに変えてからは、韓国式シェーディングととても相性がよく、少ない侵襲で施術を行えています。

2.エルゴノミクスグリップ

エルゴノミクスグリップなPerma Pen

エルゴノミクスとは「人とマシンの最適化」を指します。
スーパー簡単にいうと「持ちやすい」ってことですね笑

櫻井は握力が弱いのもあり、太くて握りやすいマシンが好きなのですが、太いだけで握りやすさを考えてないマシンだと、本当に手が疲れるんです…

Perma Penは人間工学に基づき、長時間握っていても疲れない、持ちやすいデザインを実現してくれました。

ここ、かなりこだわっているだけあって、本当に持ちやすくて疲れないです。現在、1日4件リップアートメイクを担当しているのですが、以前よりも断然手や肩の疲れがなくなりました。

マシンのグリップデザインでこんなに変わるんだなってびっくりすると思いますヨ。

3.振動が少なく安定した本体

マシンが振動するかどうかって気にするアーティストはすごい気にすると思うんですよね。
振動の種類っていくつかあるんですけど、簡単に分けると

  1. 回転機械の軸ブレ(針がガタガタする)
  2. 回転機械自体の振動(触るとブルブルする)

これどっちも嫌ですよね。

櫻井はほとんど手彫りの手技をしないので、リップも眉も一日中マシンを扱って仕事をしています。

細いラインをマシンで描くことも多いです。なのでマシンの振動が大きいとマシンを制御するのに手が疲れるし、急に手彫り用の細いブレード持ったときに震えちゃったりして気になるんです。

Perma Pen、かなり静かです。上記どちらの振動もクリアしています。
しかも、本体の太さの割には約100グラムと軽量です(航空機に使われる丈夫で軽量なアルミニウムをマシンボディの素材として採用しています)

iPhone 14 Proが206グラムなので約半分くらいの重さということになります。

「太くて握りやすいマシンがいいけど重いのは苦手だなー」と思っている人はぜひPerma Penを試してみてください。

4.eGIVE対応

「ギブ」とは何か。これは「針が皮膚に当たったときの跳ね返り効果」のことです。
(針が皮膚に当たる時の柔らかさと強さに影響する設定)

通常、ダイレクトドライブマシン(ギブ機能のないマシン)はこの跳ね返りが一番強い状態です。硬い皮膚にも、柔らかい皮膚にも最大の強さで針がヒットして跳ね返ります。

アーティストは通常、自分の手の動かし方で、この抵抗を調整しているわけですが、それを電子的に制御してくれるのがeGIVEです。

Perma PenはeGIVEに対応していますが、Perma Pen本体にはその機能はついていません。eGIVEが使えるバッテリーと接続することで、アプリを通してマシンを制御することができます。

自分が持っているeGIVE対応バッテリーはこれ。
Lightning Bolt UNI(ライトニングボルト)です。

eGIVE対応のバッテリー

ハンマー型なので慣れないと重心が気になるかもしれませんが、自分の方に重心が来るようにすると良きです。

eGIVEの機能を使わないとしても、このバッテリーを使うことで普段使っているマシンをワイヤレスにすることができます。

マシンがワイヤレスになると本当にノンストレスですよ!
自分はもう1年半くらいずっとワイヤレスのマシンしか使ってないので、コードのある施術が考えられません・・・

電源コネクタがRCAタイプなら、多くのマシンでこのバッテリーを使うことができます。

RCAコネクタ

eGIVE機能の使い方は簡単で、バッテリーとアプリをペアリングするだけ。
アプリはこれ。Darklabという専用アプリです。

専用アプリ「Darklab」

この画面上でギブを6段階に設定できます。0がギブなし。5が最大。

GIVE5

GIVE2

0ギブ(ギブなし)が一番強くあたります。数値が大きくなるにつれて、皮膚へ針が衝突する際の抵抗を和らげることができます。

つまり、硬い皮膚に強い抵抗が加わると肌表面が受けるダメージが大きくなるので、対象が硬い場合はギブを上げることでダメージを減らすことができます。

細いラインを描きたい時、針には一貫した硬さで対象に当たって欲しいので0ギブにしています。

シェーディングするときはギブをあげて調整します。この抵抗感と調節は表現が難しいので、ぜひご自身で体験してみてほしいです。

皮膚や口唇の硬さやコンディションは千差万別です。
マシンを使いこなして、適切な深さに色素が届くように施術できれば、毎回望ましい結果が得られます。

でも、それがなかなか難しい・・・
eGIVEとは、ベテランアーティストが経験で培ってきた手の動きを電子的に再現する機能なんです。

タトゥー界の革命的な発明です!

まだあまりこのeGIVE対応のマシンは種類が多くないので、今回老舗色素メーカーのPerma Blendから対応マシンが出るというのは画期的でした。

Microbeau製品写真

まとめとあとがき

  1. 2.7mmのストローク長
  2. エルゴノミクスグリップ
  3. 振動が少なく安定した本体
  4. eGIVE対応

以上4点が決め手となり、Perma Penが櫻井のスタメン仕事道具の仲間入りを果たしました。

スタメン入りのPerma Pen

本体自体もとても性能が良くて、eGIVE対応のバッテリーを使えば自動でダメージを減らしてくれる。

素晴らしいアイテムなのですが、結局のところ、最終的にそのマシンを使って施術を出力するのは「アーティスト自身」です。

全自動洗濯乾燥機や全自動食器洗浄乾燥機のように人の手が加わらずにオペレーション完了する機械なら誰が使っても同じ結果が得られますが、アートメイクのマシンの場合は最終的な出力が「人の手」ですので、「性能が良いマシンだから」とその機能に甘んじていたら素敵な作品は作れないです。

「マシンがうまくやってくれるから練習しなくていいや」は絶対NG

練習を通して手に入れた技術力と、高性能のマシンが一緒になった時、最高のパフォーマンスを発揮できると考えています。

また、人とマシンには相性があります。手の大きさや握力はみんな違うので・・
なので、いきなり通販で買うのは心配。

という方は南青山のスタジオで実物を触ることができるので、ぜひ実際に触って相性を確かめてみてください。

相性が良ければ、あなたの作品のクオリティを何倍にも高めてくれる頼もしい相棒になると思います。

 

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櫻井 グリコのプロフィール画像

櫻井 グリコ

形成外科、皮膚科、美容外科、美容皮膚科、美容師専門学校を経て、2020年西川医師の美容業界に対する思いに薫陶を受け、THE ARTMAKE TOKYO開業に参画。形成外科分野と美容学校で得た色彩の知識をベースにアートメイクのための色彩理論を展開し、業界内に普及させた第一人者。

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